2008.06.22 Sunday

流星の絆

惨殺された両親の仇討ちを流星に誓い合った3兄妹の話。両親惨殺の真犯人は思いもよらぬ人物であり、ラストで驚きの真相が明らかになる。

妹が本気で恋をしてしまった相手は良い人過ぎて、現実離れしている。幼くして両親を失った兄妹は本当に不憫ではあるが、妹一人、ハッピーエンドで幕を閉じるのにも何か違和感が・・・。

犯人の遺留品と思われる傘の謎に関するくだりは、大変面白かった。


2008.01.07 Monday

夜明けの街で

不倫の相手はまもなく時効を迎える殺人事件の容疑者だった・・・。

不倫する奴なんて馬鹿だと常々思っていた主人公が妻以外の女性と恋に堕ち、不倫相手にどんどんのめり込んでいく。男のずるさやいい加減さがとてもリアルに描かれていて面白い。

15年前の殺人事件の真相など、恋愛ごと以外のミステリアスな部分もあり、ラストまで目が離せないといった感じである。

「番外編 新谷君の話」も主人公の友人の新谷の不倫体験話である。本編での新谷の妙に生々しいアドバイスは彼の経験によるものだということがわかり、笑えるオチになっている。


2007.05.09 Wednesday

悪意

人気作家が殺され、逮捕された犯人は頑として動機を語らない。幾重にも仕掛けられた罠に刑事・加賀恭一郎が挑む。

小説のタイトルにもなっている「悪意」が真の犯行の動機となっている。練りに練られた犯罪計画。逮捕されてからも、世間の同情が自分に集まり、被害者の人間性が地に落ちるように考えられた、作られた動機・・・。

よく考えられた物語であると思う。刑事・加賀の意外な過去も明らかになるし、ストーリーが二転三転する面白さもあり、読み応え充分で退屈しない。


2007.05.05 Saturday

手紙

強盗殺人罪で服役中の兄をもつ弟の苦悩の人生を描いた作品。

犯罪者の家族が世間でどんな扱いを受けているか、想像以上のものがある。主人公の勤め先の社長の言葉が非常に胸に響いてくる。

「犯罪者の家族が世間から差別されるのは当然で、むしろそれは必要なことである。大事なのはそこから人のつながりをいかにして築き上げていくかだ。」

結局主人公は兄と妻子のうち、妻子を守ることを選び、兄と絶縁することになる。苦渋の選択であったと思う。

兄からの被害者の遺族に対する最後の手紙の内容と、終章の舞台に立つ主人公の描写は涙を誘う。


2007.05.01 Tuesday

使命と魂のリミット

心臓外科手術中に前代未聞の危機が襲う医学サスペンス。

心臓外科医を目指す研修医、夕紀の思いと、かつての恋人の復讐のため、病院に脅迫状を送りつける穣治の感情と行動を、それぞれの視線で同時に描いている。

病院と言う閉鎖的な空間で行われている医療というものに、人の命を救うということだけではない、凄さを感じる。専門的な医学用語など、難解な部分はあるが、ただの医学ものだけでは終っていないので充分に楽しめる。

練りに練られた穣治の犯罪手法に、うならされた。


2007.04.06 Friday

ゲームの名は誘拐

犯人側からのみ描かれる前代未聞の誘拐小説。

狂言誘拐を企てた男。その裏に隠された事件の真相、ラストのどんでん返しと、ストーリーにどんどん引き込まれていってしまう。

誘拐ゲームの筋立ても男の頭の良さが光っていて素晴らしいし、読者を簡単に飽きさせない手腕は見事と言うほかない。

自分の頭の良さに酔いながらも犯罪を犯し、結局は大物人物に利用されていた男が少々気の毒ではあるが、大金を手にできたのだからラッキーだった。

とにかく新しいタイプの小説である。


2007.03.18 Sunday

サンタのおばさん

恒例のサンタクロース会議。今年の議題は女性のサンタを新たに加えるか否か、女性サンタを認めるかどうかで、会議は大騒ぎに・・・。おかしくて、ちょっぴり切ないクリスマス・ストーリー。

結局女性サンタが誕生し、アメリカ支部担当で、今年のイブの夜が初仕事となる。

短いストーリーの中に男と女、肌の色など、人間には全く関係ないよ、すべて同じ生き物なんだよ、というメッセージが込められていると思う。杉田比呂美さんのイラストも添えられ、どちらかというと絵本に近い感じで楽しめる。


2007.02.26 Monday

幻夜

阪神大震災の朝以来、苦難を共にしてきた男女の物語。「2人の幸せのために」と女の言いなりに様々な悪事に手を染めていく男。被災して両親をなくした後、社長夫人と実業家の地位を手にする女。

とにかく読んでいて女の言うがままの男にイライラしてしまう。また、なんだかんだと言いながら、自分以外の人間は信用していない強欲な女にも哀れなものを感じる。

大長編で十分読み応えはあるが、「白夜行」の二番煎じのようなストーリーであることは否めない。超美人で冷徹な女に振り回される男が人生を踏み外していく、というのが東野氏の得意分野なのかもしれない。


2007.01.27 Saturday

さまよう刃

不良少年たちに蹂躙され、死体となった娘の復習のために、父は仲間の一人を殺害し逃亡する。

「遺族による復讐殺人」としてマスコミにも取り上げられ、世間では賛否が大きく分かれる。犯人を裁く権利は誰にあるのか、大いに考えさせられる大作。娘を失った父親の気持ちを思うと、復讐殺人は当然の帰結に思える。自分が何も失うものがない独り身なら、この父親と同じ行動をとったと思う。

人を死に追いやっておきながら、反省もせず、自首するどころか、裏工作、アリバイ作りに逃亡と、何ともふてぶてしい限りの少年達。そんな悪ガキ共は死をもって罪を償うべきだろう。

この父親は復讐を最後まで遂げられずに死んでいくが、その無念さはいかばかりかと思うのである。

2007.01.25 Thursday

おれは非情勤

非常勤講師の“おれ”が赴任先の小学校で起こる事件を解決していくミステリー。

第1章の「一文字小学校」から第6章の「六角小学校」で終わるというのも、遊び心があり面白い。子供向けの学習雑誌に連載されただけあって、大変読みやすく書かれていると思う。

“非情勤”というタイトルや主人公の“おれ”の名前が出てこないところなど、子供向けでありながらハードボイルドっぽいところもあり、大人でも十分楽しめる。あと、小学生の男の子を主人公にした2作も収録されていて、どちらも読みごたえがあって面白かった。

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