2008.02.06 Wednesday

タルト・タタンの夢

下町の片隅にある小さなフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルのシェフが、客達が巻き込まれた不思議な事件や不可解な出来事の謎を解き明かすミステリー。

料理屋が舞台になっていて、そこに持ち込まれる謎を解明していく料理人・・・という設定はありふれている感じもするが、フレンチが題材になっているところは少し変わっている。生々しい殺人や犯罪が絡むこともなく、サラリと読めて読後もさわやかな小説である。

前半部分に登場人物の誤植が少しあって残念である。


2007.09.30 Sunday

ふたつめの月

老人と犬とフリーターの女の子をめぐるミステリー。「賢者はベンチで思索する」の続編。

フリーター久里子が出会う日常の事件が3編収められている。前作でおなじみの赤坂老人も登場し、その思慮深さを発揮している。

彼は詐欺師ということだが、悪人らしくないし、非常に洞察力もあり、久里子をいろいろな場面で助けていくので、この物語にはなくてはならない存在になっている。

飛びぬけて悪い人物や犯罪が起こるわけではないが、人間関係が織り成す不思議、あるいは恋や仕事の心配事など、何気ない日常を久里子の目線で上手に表現されていて、とてもホッとできる作品のひとつ。


2007.06.06 Wednesday

南方署シリーズ

新人刑事と変わり者の女性刑事が事件を解決するシリーズ。

2冊ともに、犯人といい、ラストといい、どこか切なさが漂っている。近藤氏独特の世界だ。

著者にとって初めての警察モノであるが、ソフトな感じで書かれているので、女性には読みやすいと思う。

新人刑事・会川圭司とその兄・宗司、そして女性刑事・黒岩。彼らの絡みやそれぞれのキャラクターも個性豊かでとても面白い。


狼の寓話―南方署強行犯係

黄泉路の犬
2007.05.26 Saturday

スタバトマーテル

愛と不信が交錯する恋愛ミステリー。

プロの資質を備えながらも、本番で歌えない声楽家・リリ子。若くして名声を得ながら、母親なしでは作品を描けない版画家・大地。2人は惹かれあい、付き合い始めるが、リリ子に次々と危険が襲いかかる。

盲目となって異様な様子の大地の母親、何者かがリリ子に向ける悪意。過去に大地に関わった女性は皆不幸な結末となっている事実。

とにかく謎が多く、そこに恋愛も絡んできて、女性読者にはたまらない一冊であると思う。悪意の源が後半に明らかになるが、意外な人物であったことに驚かされた。


2007.03.14 Wednesday

探偵・今泉文吾シリーズ

今泉探偵とアシスタントの大学生・山本が事件を解決するシリーズ。4作のうち「ガーデン」以外は舞台が梨園の世界になっていて、歌舞伎ミステリーになっている。

そういうわけで、養成所出身の女形、瀬川小菊もワトソン役で登場し、歌舞伎の演目も所々にはさまって味わい深い作品に仕上がっている。

「ガーデン」は今泉が探偵になる経緯が描かれていて、それはそれでとても興味深く読める。しかし、梨園の名探偵=今泉というイメージを持っている読者にすれば、歌舞伎界とは全く無縁のこの作品は少し異色な感じがするかもしれない。

ワトソン役の小菊のオネエ言葉がなんとも面白く、物語をやわらかい雰囲気にしているので、個人的には好きなサブキャラである。


ねむりねずみ
ガーデン
桜姫
二人道成寺
2007.02.28 Wednesday

賢者はベンチで思索する

ファミリーレストラン「ロンド」を舞台に展開する謎の事件。ロンドの馴染みの客である老人とバイトの21歳の女の子が挑むミステリー。

事件といっても、ロンドの食べ物に何か混入されていたり、店の近所の男の子が誘拐されて無事に戻ってきたりといったもので、ミステリー小説にありがちな殺人事件ではない。

しかし、老人の素性も謎めいているし、ついついストーリーに引き込まれてしまう。事件の謎を解きながら、バイトの女の子の人生に、とても大切なものを与えてくれた不思議な老人。その老人の謎が明かされる第3章は特に面白い。


2006.11.28 Tuesday

にわか大根 猿若町捕物帳

玉島千蔭の名推理が冴える江戸の情趣と人間の哀しさを描いた時代ミステリー。

江戸で起こる不審死事件を同心千蔭が解明する3つの物語からなっている。吉原の遊女や女形役者を登場させるなど、題材が興味深く、面白い。

時代小説といってもミステリー色が濃いので、現代ミステリーのファンでも肩ひじ張らずに楽しめるだろう。

2006.10.30 Monday

整体師合田力シリーズ

整体師合田力と美人姉妹の助手恵と歩が合田接骨院に訪れる患者の苦悩や謎を取り除いていくミステリー。

語り手の1人で週刊誌記者の小松崎や、彼と歩の関係など、人間模様も色々あって、それぞれ3作とも読みごたえのある作品だ。

患者の「身体の声を聞く」ことのできる合田接骨院で整体を受けて癒されたいなあ、としみじみ感じてしまうシリーズ。

カナリヤは眠れない
茨姫はたたかう
Shelter(シェルター)
2006.10.24 Tuesday

キリコシリーズ

オフィスで起こる不可解な事件の謎を女清掃人探偵キリコが解明する本格ミステリー(と本の表紙に書いてあるが・・・?)。

清掃の仕事をする時もふわふわセーターにミニスカート、ゴツめの膝まであるブーツと、渋谷にいくらでもいそうな女の子ファッション。オフィスのサラリーマンのおじさま方が見ると顔をしかめそうな格好のキリコだけど、仕事はピカイチ、オフィス中ピカピカにしてくれる。

そんな感じで事件もスーッと解明していく、とても痛快なミステリーだ。軽いタッチでストーリが展開し、サラリと読めて面白いので気軽に読めるシリーズ。

(作品・発表順)
天使はモップを持って
モップの精は深夜に現れる

Calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
Selected Entries
Categories
Archives
Recent Comment
Recent Trackback
Links
Profile
Search this site.
Others
Mobile
qrcode
Powered by
30days Album
無料ブログ作成サービス JUGEM