2008.01.22 Tuesday

優しい音楽

家族や恋人達の日常を描きながら、どこかじんわりと心に届いてくる短編3作を収録。

亡くなった兄とそっくりの男性とつき合うことになった女子大生の話、不倫相手の子供を一日預かることになり、その子のために一肌脱ぐ女性の話、ホームレスの中年男性としばらく同居することになってしまう同棲カップルの話。

どの話も瀬尾さんらしく、温かで、ジンときてしまう内容である。人と人との温かな心のつながりや、信頼感・・・。バタバタせずに、ゆっくりと紡ぎだされる物語は読む人の心を温かくほのぼのと包み込む。

せわしない日常を送っている現代人には特におススメしたい一冊。


2007.11.23 Friday

ありがとう、さようなら

小説家・瀬尾まいこがデビュー直後から3年半にわたって書き綴ったエッセイ集。

彼女の作品の中にあふれている、なんとも言えないほんわかとして柔らかい雰囲気は、彼女そのものだったんだ・・・と、このエッセイ集を読んで認識した。京都の公立中学で国語教師をつとめている彼女は、本当に生徒のことが好きでたまらないんだ、というのがヒシヒシと伝わってくる。

飾らず素のままで生徒にぶつかっている瀬尾先生を応援したくなる一冊。


2007.08.05 Sunday

天国はまだ遠く

人生を終わりにするため、誰も自分を知らない遠い場所へ・・・。たどり着いた山奥の民宿で自分の中の何かが変わる。

自然に囲まれた山奥の村の中で、自分の居場所を見つけ、居ついてしまうのではないかと、想像しながら読み進めていると、最後は少し裏切られた感じが残る。

民宿の田村という男とのロマンスがあるのではないか、という読者の淡い期待もなんのその、主人公の女性は一ヶ月近く過ごした民宿を後にして自分のいるべき場所へ戻って行く。

想像とは違うラストではあるが、どこか心にじんわり染み渡ってくる一冊である。


2007.02.12 Monday

幸福な食卓

父さんが自殺を失敗し、母さんが家を出て、兄は大学へ行かず農業をする。そんな家族と「私」のとても切なくて、ちょっとおかしくて心温まる物語。

ある登場人物の言葉…「恋人はいくらでもできる。でも家族の代わりは自分の力ではどうすることもできない」というのがある。きっと、この小説のすべてをこの言葉が物語っているのだと思う。「家族はつくるのは大変だけど、その分めったになくならない。簡単に切れたりしない。だから、安心して甘えたらいい。」とその人は言っている。

きっと、作者もこの物語を通じて家族のそういう部分を描きたかったのだろう。ズシリではなく、ふわりと心の奥に響いてくるような小説だった。


2007.01.15 Monday

図書館の神様

思い描いていた未来を諦めて赴任した高校で不思議な出会いがあり、やがて傷ついた心を回復していく青春物語。

高校時代までバレーボール一筋だった主人公が、バレーをやめて大学卒業後、高校の講師になり、全く畑違いの文芸部の顧問になる。いろんな人との出会いがあって、引きずっていた過去を清算して新しい人生を歩んでいく。

人生というものは何がきっかけで大きく変るか本当にわからないものだと思う。高校時代のチームメイトの死も最後には乗り越えて、きっと自分らしい人生を歩んでいくのだろう。どこにでも助けてくれる神様はいるのだから・・・。

2007.01.07 Sunday

温室デイズ

崩壊した中学校の教室で2人の少女の目から見た日々を描いた青春小説。

日本の平和ボケが一番発揮されているのはやっぱり学校の場なのだというのがよくわかる。いじめ、不良、不登校・・・。手がつけられない状態になって初めて教師が動き出す。思春期に自分自身も身を置いてきた学校というところが本当に温室の中だったんだな、と痛感する。

大きな事はできないけれど2人の少女が、自分のできる事を懸命にがんばり、そして小さな奇跡を起こした物語。みちると優子に拍手を送りたい。

2006.12.20 Wednesday

卵の緒

新しい家族のあり方を軽やかなタッチで描いた中編小説。

他に書き下ろした小説が一遍おさめられているが、どちらの話も素直で純粋な小学生の男の子と細かいことは気にしない大らかなお母さんが登場する。

2作品とも、それぞれの男の子とお母さんは「生さぬ仲」であるが、家族として一緒に生活し、お互い信頼しあっている。

家族であること、家族になることは、血のつながり以上に人間同士の心のつながりが大切だ…との著者の想いがよく伝わってくる。心温まる作品である。


2006.10.29 Sunday

強運の持ち主

元OLの占い師、ルイーズ吉田が活躍する短編連作集。

「お父さんとお母さんとどちらを選んだらいい?」という小学生の男の子の相談から、好きな人の気を惹きたいという女子高校生の相談まで毎日大忙し。ルイーズ吉田と恋人通彦とのおしまいは?

瀬尾作品独特のほんわかした雰囲気が感じられるが、読んだ後には元気が出てくる作品だ。

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