2008.03.22 Saturday

夜明けの縁をさ迷う人々

不思議な話やゾッとするような恐怖物語など9つのストーリーを収めた短編集。

「博士の愛した数式」「ミーナの行進」にはないチクリと風刺のきいた内容や少し怖い話が綴られている。今までに読んだ小川氏の作品とはかなり違う作風で、新鮮というより少し違和感があった。

自分の読み方が浅いのかもしれないが、先に挙げた2作のようなほのぼのとして心に訴えかける作品の方が彼女らしさが出ているように思う。もちろん全くの私見であるが・・・。


2007.04.21 Saturday

この世界の素晴らしさを優しく伝えてくれる短編集。

40年以上も前に別れた異国の恋人の最後を看取るために、はるばるウィーンに一人やって来た未亡人とたまたま同室になった「私」の6日間の物語・・・「風薫るウィーンの旅六日間」は少し切なくて、ちょっぴり笑えて、とても好きなストーリーである。

一生懸命彼が息を引きとるまで世話をしてあげたのに、本当の彼は隣のベッドの老人だった、なんて本当に間抜けな話だけど、ただの笑い話ではない何かが、物語の中にあふれているような気がする。

40年間バスの運転手だけをしてきた男を描いた「缶入りドロップ」は非常に短いストーリーの中に彼の優しさが一杯でホッとさせてくれる物語だ。

それぞれの短編は、どうということのない物語ではあるけど、何となく奥行きの深さのようなものを感じることができる。


2006.12.30 Saturday

ミーナの行進

美しい思い出、悲しい出来事、懐かしい人々、切ない恋心・・・限りなく愛おしい物語。

体が弱くて入退院を繰り返しているミーナは、朋子との楽しい思い出を残して死んでしまうのではないか、と思っていたらヨーロッパに渡り、35歳で会社を設立、活動的な女性になってしまう。カバのポチ子の背中に乗って小学校に通っていたミーナが全く驚きである。

親元を離れてミーナの家族と過ごしたわずかな時間は、朋子にとってかけがえのない心の拠り所となっているようだ。

全体として、思春期の女の子の表情がうまく描かれていて、懐かしく、とても優しい気持ちになれる。

寺田順三さんの優しい挿画も物語の雰囲気とマッチして、とても色鮮やかで素敵である。





2006.11.03 Friday

博士の愛した数式

80分しか記憶がもたない博士と新しい家政婦、そして彼女の息子「ルート」が織り成す物語。

昔の阪神タイガースの話や数学の話が加わり、本の帯に書いてある「奇跡の愛の物語」とひと言では言い尽くせない作品に仕上がっている。

純粋に数学を愛する博士の生き様に心打たれるし、3人の絶妙な関係が読んでいて楽しい。

江夏投手(現野球評論家)が阪神で活躍していた頃を知るファンの人にはとても懐かしく読める小説であること間違いなし。

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