2008.04.27 Sunday

ゴールデンスランバー

首相暗殺の濡れ衣を着せられた男が巨大な陰謀から逃げまくる物語。

アメリカで起こったジョン・F・ケネディの暗殺事件と重なってしまうような内容ではあるが、陥れられ、犯人に仕立て上げられた主人公が様々な人達の助けを借りて逃げ延びる様子は感嘆に値する。

どこか殺伐とした内容だが、ラストが少しホッとさせられ、主人公の将来にも希望がもてそうな予感すら覚える。

「こんな話あり得ない!」と思いながらも、つい先が気になって一気に読んでしまった作品。


2007.06.04 Monday

グラスホッパー

3人の男が絡み合う「殺し屋」の話。

2人の殺し屋「鯨」と「蝉」。妻を殺された恨みを晴らすため、やばい世界に足を突っ込んだ鈴木。それぞれ別々に物語は始まるが、「押し屋」をめぐって徐々に絡み合っていく。まさに伊坂氏独特の語り方だと思う。

何度も危機に直面しながらも、なんとなくうまく事が運んで、最後は1人生き残り、人生をやり直すことになる鈴木。とんでもなく強運の持ち主のように思えるが、3人のうち唯一人を殺したことがない彼である。やっぱり善は勝つということなのか・・・。


2007.05.24 Thursday

魔王

世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。

ファシズムや憲法改正、国民投票などが出てきて、著者曰く、それらは小説のテーマではないとのことだが、ストーリーの根幹ともいうべき位置を占めるいるように思う。

人の心を鷲づかみにする若き政治家に対し、恐怖のようなものを感じ、皆が同じ方向に向いていくことを食い止めようとしたばかりに命を落としてしまう兄。

その兄が「へらへらしているようで、実は鋭い。何かやるとしたら、弟の方だ。」と言っていた、その弟も兄の死後、不思議な力を持つようになる。

その力を使い、お金を貯めて世の中を変えようと考える弟にどこか共感してしまうのは私だけなのか・・・?


2007.04.19 Thursday

フィッシュストーリー

伊坂作品を彩る名脇役たちが巻き込まれる、新たな事件の数々・・・4つの物語。

彼の作品を読んだことのある人は、知っているキャラクターの登場に少なからず共感を覚えるだろうし、この作品が最初という人でも十分に楽しめる。

表題作の「フィッシュストーリー」は特に伊坂幸太郎らしい物語であるように思う。20数年前、現在、30数年前、10年後と、バラバラの物語であるように見えて、時空を超えたつながりをもっていく。

「僕の孤独が魚だとしたら」というフレーズが、「孤独」の部分を変えて作中に何度か登場するが、この話の内容を全て物語っているようなフレーズで、なんとも面白い。


2007.03.16 Friday

砂漠

学生生活を楽しむ5人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”でまばたきする間に過ぎ行く日々を送っていくパワーみなぎる青春小説。

入学、一人暮らし、麻雀、合コン、超能力、空き巣狙い・・・大学の4年間を様々な事件などに絡めて個性豊かに描かれている。

いつも一緒ではないけれど、麻雀と何かがある時は集まる男女5人組。それぞれが独特のキャラを持っていて(特に西嶋)飽きさせない。

今度は何をやらかしてくれるのだろうかと(特に西嶋)期待をさせられる。彼らは卒業して「社会」と呼ばれる砂漠の厳しい環境に出ていくのだが、西嶋だけが留年することになる。

「学生時代を思い出して、あの時は良かったな、オアシスだったな」と逃げることは西嶋には絶対ないのだろうな・・・とぼんやり考えてしまった。


2007.02.20 Tuesday

陽気なギャングシリーズ

4人の銀行強盗たちが銀行を襲い、トラブルに首を突っ込んで活躍するシリーズ。

登場人物のキャラクターも個性的で面白く、おしゃべりも楽しくて、周到に物語の伏線が用意されている・・・。伊坂作品を代表するシリーズだと思う。

特に2作目は銀行強盗の4人が巻き込まれたバラバラな事件が、別の誘拐事件と奇妙に連鎖していく。話の筋といい、会話といい、面白いのひと言。全く、コメディ映画を観ているような作品である。

一作目は映画化もされたそうなので、機会があれば観てみたい。


陽気なギャングが地球を回す
陽気なギャングの日常と襲撃
2006.12.24 Sunday

終末のフール

世界が終わりを告げる前の人間群像を描いた8つの物語。

終末を目前にそれぞれの人達がそれぞれの生きる道を見つける。あと何年かしか、この星がもたなくて、命が限られてしまった時、人は一時パニックに陥りながらも結局は自分にふさわしい終末の迎え方を考える・・・というか、それしかないのかもしれない。

8つの物語に共通しているのは、人間は一人ではないということ。いろんな人との関わり合いで、生かされ、人生を送っているというのが骨身にしみる。世界が終わる前の悲惨な日常の中にも、何となく人間関係の大切さや温かさを感じることができた一冊である。

2006.12.01 Friday

チルドレン

家裁調査官・陣内の5つの物語。

学生時代や社会人になってからの彼を時間軸をずらしながら描いている短編集のような長編小説である。

バカバカしくて、それでいて恰好いい陣内に好感が持てる。所々にミステリー的なエッセンスが散りばめられていて、爽快な読後感が残った。

2006.11.29 Wednesday

オーデュボンの祈り

人語を操り、未来を見通すカカシのいる島で起きたカカシ殺しを追及する物語。

異世界を舞台にしたとても奇妙な作品で、「なんなの、これは?」とつい声を上げてしまう。ファンタジックでもあり、ミステリー的な要素もあるのだが、とにかく時間を忘れて引き込まれていった。

島のルール自体が現代社会の規範に対して警鐘を鳴らしているような気がする。優しい雰囲気の中にも何か考えさせられる、そんな一冊。

2006.11.23 Thursday

ラッシュライフ

5つの視点、5つの物語が複雑に交錯する。物語が帯の言葉通り“1枚の壮大な騙し絵”になっている。

伊坂幸太郎という作家を知るきっかけになった作品で、以降、出版されている作品は総て読んでいる。

とにかく面白い。始めバラバラに進んでいた物語が終盤になって鮮やかに組み合わされていく。

「こんな小説読んだことない!」というのが正直な感想。

伊坂さんの作品では作品同士がリンクしているので、そういう所にも気をつけながら読んでいくのも楽しみの一つである。

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