2008.04.30 Wednesday

阪急電車

阪急今津線を舞台に繰り広げられる片道15分の物語。

駅ごとにエピソードがつなげられていて、往路・復路となかなかニクイ構成になっている。一つ一つの話は日常の些細な出来事ばかり(恋の始まりや別れなどもある)だが、それぞれの登場人物がお互いに関わりあいながら電車が走っていく。

見ず知らずの者同士が、こんなにたやすく電車内で言葉を交わしたり、影響し合ったりするのは、ちょっと考えにくいようにも思うが、人生模様と駅ごとのエピソードを絡めたところは斬新で面白い。

往路「門戸厄神駅」編の軍事オタクの圭一は有川氏でないと書けないキャラではないかと思った。


2008.03.15 Saturday

図書館革命

図書館戦争シリーズ第4弾。

図書隊とメディア良化法との攻防を描いたシリーズの完結巻。主人公笠原郁と堂上教官との恋の行方を軸にして、図書隊の活躍をいつもの歯切れ良い文章で綴られていて、テンポも良く、面白く読めた。

シリーズもこれで完結するが、アニメ化されるということもあり、楽しみが広がったように思う。

4作品を振り返ってみると、タイトル通り戦闘シーンも多かったが、やはり恋愛プラス青春小説だったようにも思える。


2008.01.30 Wednesday

クジラの彼

自衛官の恋愛をつづった短編集。

有川氏の作品「空の中」「海の底」の番外編も収められていて、読み応え充分である。自衛隊で取材した談話を織り交ぜながら作られているので生々しい。

自衛隊という特殊な世界に身を置いて恋愛を成就することは、並大抵のことではない、ということを知らされた。男女それぞれに相当な覚悟と努力が必要になる。

「脱柵エナジー」は若気のいたりから始まるようなストーリーだが、とても共感を呼ぶ。自衛官の違った一面が見られて少しお得な気分になれた。


2007.11.01 Thursday

海の底

自衛隊三部作第2弾<海>編

横須賀基地に巨大な甲殻類が来襲・・・食われる市民を救助するために機動隊が駆け回るが・・・。

自衛隊が出動してから半日ほどで巨大甲殻類「レガリス」は駆逐される。初めから機動隊だけに任せず、自衛隊を投入していれば、多くの犠牲者を出さずに済んだはず。

この国の法律の不備を見るようで、これがレガリスでなく、お隣の物騒な国の特殊部隊だったら、と思うと薄ら寒い気持ちになる。

ある中学生の言葉に踊らされるバカな報道関係者や、母親の理不尽な言動や傲慢さに気付き始める息子など、国や世間の様々な有りように対する揶揄が込められていて、考えさせられる物語である。

そんな中、隊員の夏木と高3生の望との淡く切ない恋には心が和んだ。



2007.10.09 Tuesday

空の中

自衛隊三部作第2弾<空>編

200X年、二度の航空機事故が人類を眠れる秘密と接触させる・・・。

「白鯨」という未知のものの存在と、人間のエゴ、青春時代の思いなど、様々なものがてんこ盛りになっていて、いろんな角度から読むことができる小説である。

有川氏はあとがきで「怪獣ものと青春もの足しっぱなしで、空自で和えている」と表現しているが、まさにそんな感じだ。

図書館戦争シリーズでも同様だが、自衛隊ものが彼女の十八番なのか、有川氏=自衛隊というイメージが私の中では固まっている。

第3弾<海>編がどのように展開していくのか大変楽しみである。


2007.08.25 Saturday

塩の街

自衛隊三部作第1弾<陸>編

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代、自衛官・秋庭と少女・真奈の前を様々な人々が行き過ぎ、そのうち2人の関係も変わっていく。

「図書館戦争」シリーズでおなじみの有川氏のデビュー作。既に出版済みの文庫版を大幅改稿し、番外編短編4編を加えた上で単行本化されている。ボリュームも中味も読んでいて充分満足できた。

「図書館戦争」シリーズでも感じたことだが、突飛な話を描かせたら有川氏の右に出る人はいないと思う。塩が街を飲み込み、社会を崩壊させていく・・・なんて誰が考えつくだろうか。

私の中では、秋庭が「図書館戦争」シリーズの堂上教官にダブって見えた。



2007.03.21 Wednesday

図書館危機:図書館戦争シリーズ第3弾

図書館防衛組織、図書隊員の活躍を描いたシリーズ第3弾。

笠原郁の「王子様」の正体が堂上教官だと分かり、どんどん彼女の気持ちに変化が起こっていく様子が面白く描かれている。気持ちに変化が起こるというより、自分の気持ちに気付いていくと言った方が正解かもしれない。

登場人物のやりとりや、皮肉やユーモアの効いた文章は相変わらずで、作者の上手さが光っている。あと一巻でこのシリーズが終わるようだが、まだまだ続いて欲しいと思っているのは私だけではないと思うのだが。


2007.03.09 Friday

レインツリーの国

「忘れられない本」をきっかけに始まったメールの交換。聴覚障害者の彼女と健聴者の彼との青春恋愛小説。

聴覚障害のことを色々と調べて、一生懸命彼女に歩み寄ろうと努力する彼の姿がとても微笑ましい。少し押し付けがましいところもあったりするが、自分の良いところと悪いところをきちんと分かっていて、間違えば素直に謝れる。とても明るく、関西弁丸出しの彼は好感度抜群だ。

彼女も素直になって彼の気持ちを受け止めればいいのにと、少しイライラするが、障害を持っているが上の様々な思いが絡み合って、なかなかうまくいかない。

最後はハッピーエンドなのだが、彼女が自分の殻を破ってイメージチェンジを果たし、補聴器を誇示するように髪をかき上げるシーンはとても感動的だ。

「図書館シリーズ」第2弾の「図書館内乱」の中に、この本が登場するので、あわせて読んでみると面白い。




2006.12.13 Wednesday

図書館内乱:図書館戦争シリーズ第2弾

図書防衛組織・図書隊員を描いた図書館戦争シリーズ第2作目。

主人公笠原郁が憧れの王子様の正体を知ることができて、読者としてはホッと一安心・・・。しかし、その後も波乱は起こりそう・・・次作に続く、となっている。3作目も読まずにいられない終わり方がなんとも心憎い。

個人的には前作以上に楽しく読むことができた。笠原以外の隊員の恋愛事情なども絡めて描かれているせいか、前作よりも柔らかな印象だ。登場人物たちのちょっとした心の機微がうまく表現されていて、作者のうまさを痛感させられた。

2006.11.24 Friday

図書館戦争

「メディア良化法」に対抗して組織化された図書防衛組織、「図書隊」。その特殊部隊に配属された紅一点、笠原の活躍を描いている。

何事にも真っ直ぐに向かっていく彼女に影響されてか、同僚のエリート図書隊員が変っていく様は実に面白い。相手の腹を探り合うような会話や気の利いた台詞回しなど、作者独特の持ち味が光っている。

図書隊などという荒唐無稽な存在に加え、自衛隊並みの射撃シーンやコメディタッチなキャラクターを組み込むことによって、読者を有川ワールドに誘っている手法は見事というほかない。

Calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
Selected Entries
Categories
Archives
Recent Comment
Recent Trackback
Links
Profile
Search this site.
Others
Mobile
qrcode
Powered by
30days Album
無料ブログ作成サービス JUGEM