2008.04.18 Friday

交渉人 遠野麻衣子・最後の事件

交渉人・遠野麻衣子と真犯人の息詰まる4日間を描いたサスペンス。

真犯人シヴァとは一体何者なのか、膨大な渡航者リストの中から絞り込んでいく3人の刑事達の姿には凄まじい執念を感じる。

意外な人物が真犯人と分かるのだが、思わぬところからほころびが生じるのだから、全く完璧な人間はいないのだろう。

プロの交渉人は、些細なことも聞き逃さず、情報をきちんと整理して犯人像を確かなものにしていく。犯人との心理戦にも長けていて、本当に神経が細やかな人間でないと務まらない仕事なんだなあ、と思った。



2008.04.10 Thursday

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター

40過ぎてロックバンドを組むことになった主婦をめぐる家族小説。

ダンナとムスコとの3人暮らしの44歳の主婦、美恵子はあることをきっかけにパートに出る。それから、彼女の世界が変わり始める。

家庭内の問題や高校時代にやりたくてもできなかったこと、自分と正反対の人生を送っている幼なじみなど、さまざまなことが契機となって、ロックバンドを結成することになる。はじめはバンドごっこのはずだったのに、どんどんバンドが生きがいになっていく。

メンバー間の友情やダンナとムスコとの気持ちの繋がりなど、ちょっと、じんとする内容になっている。

ヘビーな洋楽が流行っていた世代の人たちには、たまらない一冊ではなかろうか。


2007.01.17 Wednesday

パパとムスメの7日間

心温まる家族愛を描いた笑いと涙の長篇小説。

ある日突然、「大嫌いなパパ」と「最愛の娘」の人格が入れ替わってしまう。パパは娘になって男の子とデートへ、娘はパパになって会社へ行く。コメディドラマばりの設定で、とにかく面白い。

五十嵐氏はシリアスものが多いかと思っていたら、こういう軽いタッチの作品もあり、違った感じで楽しめる。

お互いの心が入れ替わった7日間で、それぞれの立場の大変さや苦労がわかり、また、元に戻ってからも父娘のそれぞれがひと回りもふた回りも大きく成長する・・・家族愛の根本を実感した作品である。

2006.12.07 Thursday

交渉人

警視庁犯罪交渉人が人質解放への壮絶な心理戦を仕掛ける最新型の犯罪交渉サスペンス。

復讐のために罪を犯すのは許されることではないが、この犯人達には同情を禁じえない。家族を失った者でないと、その苦悩の程は分からないが、例えば自分の息子が殺されたら、復讐の念にさいなまれるであろうことは容易に想像できる。

医療過誤という重たい題材を真正面からぶつけて、読者や社会に対して問題提起している作品である。

やり方は間違っていたのかもしれないが、石田警視正の最後まで自分を貫く姿には男らしさを感じた。

2006.12.06 Wednesday

安政五年の大脱走

桜田門外の変で有名な井伊直弼が、ある小藩の姫に横恋慕。その姫が藩士とともに理不尽な幽閉生活を強いられながら、密かに脱出を試みる、という長編小説。

総てを奪われた男達の勇気や知恵には目を見張るものがある。かの名作映画を彷彿とさせるが、それだけに終わらない。4章の奇想天外な脱出場面は、手に汗握る面白さで、読者に強烈な印象を与える。こういうことだったのか、と唸らされるのである。

こんなにも、自分の命に代えて守らねばならないものがある、という高い使命感や精神性に改めて驚き、感動した。主人には絶対服従という、大変な時代ではあったが、それが現代人にはかえって新鮮で、忘れていた大和魂というものを思い出させてくれる。

エンターテイメントと感動を兼ね備えた超おススメの一冊である。




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