2007.03.03 Saturday

ふたりのシンデレラ

「ふたりのシンデレラ」を演じる劇団の合宿中に1人が殺され、1人が重傷、そして1人が失跡してしまう。史上初の大技1人8役の超ミステリー。

事件の証人でもあり、犯人、犠牲者、探偵役、ワトソン役、記録者、さらに容疑者でもあり、最後に共犯者でもある・・・という「わたし」は一体何者で、どういうストーリーであるのか、とても興味をそそられる。読み終わってみて、そういうことだったのかと納得できる面白さがある。

裏解釈ものや見立てものが中心かと思っていたら、鯨氏はこの手のミステリーも手がけるのかと、少し驚きでもある。


2007.02.19 Monday

邪馬台国はどこですか?

舞台はカウンター席だけのとあるバー。正体不明の青年宮田が独特の歴史解釈で議論をふっかけ、文学部助手で美貌の持ち主、早乙女静香の鼻をへし折る痛快な短編連作集。

静香の師である文学部教授、バーテンダー、宮田、そして静香の4人だけの登場人物で、なおかつバーのカウンターから皆一歩も離れずストーリーが進む。各編とも毎度毎度、宮田が持ち出す歴史理論に端を発する。

一見、無茶苦茶な解釈でありながらも読み進めるうちに納得してしまうのは鯨氏の手腕というべきなのか・・・。とても気軽に読める新しいタイプの歴史ミステリーである。

少しばかり歴史通になったような気がする一冊。

2007.02.15 Thursday

金閣寺に密室

建仁時の小坊主、一休が足利義満の死の謎を解き明かす歴史推理小説。

義満の側近の山名、細川、斯波、一色や、蜷川新右衛門、能楽者の世阿弥など、歴史上の人物たちが次々と登場する上に、時代ものの密室ミステリーとしても各所に工夫が凝らされていて、とても興味をそそられる。一休のとんちエピソードについても、裏の真相?が明かされていて、さすが“裏解釈の達人、鯨統一郎”と、読者をうならせる。

誰もが知ってる“一休さん”を主人公に、ここまでユーモアのこもった歴史ミステリーは他にはないと思う。歴史好きにとっても必読の一冊か。


2006.12.15 Friday

庖丁人 轟桃次郎

小料理屋の板前、桃次郎が殺人鬼として極悪非道の犯罪者達を「料理」していく短編連作集。

必殺仕置人を彷彿とさせるようなストーリーだが、桃次郎の作る最高の料理に犯罪者達の体の一部を使っているという展開には、ちょっと引いてしまった。

最後に作る至上の料理も、小料理屋の女将が使われているのでは…と思わせる書かれ方になっていて、かなりブラックというかホラー的な内容。現代の犯罪や刑罰に対する風刺が込められているようにも思える。

2006.12.14 Thursday

「神田川」見立て殺人 間暮警部の事件簿

警視庁・間暮警部が昭和のヒット曲の裏に隠された真実をもとに事件を明らかにしていく短編連作集。

何の前触れもなく、ヒット曲を歌い出し、「これは見立て殺人です」と言い放つ。そして「犯人はこの部屋の中にいます」と言ってのける間暮警部・・・彼は敏腕刑事なのか、ただのアホウなのか、首を傾げてしまうのだが、結局は彼の推理通りに事件解決となる。

マグレ当たりのような推理を展開する「間暮」警部・・・これだけでも笑える設定である。探偵事務所の小林の目線で書かれている文章は間暮警部に冷ややかな感じになっていて、それがまたコミカルで面白いのだ。

昭和の9つの名曲と共に、その時代を思い出しつつ読むのも一興かもしれない。

2006.12.08 Friday

九つの殺人メルヘン

渋谷区にある日本酒バーを舞台に店の常連客とマスター、日本酒好きの女子大生が9つの難事件を推理する短編連作集。

総ての短編が有名なメルヘンと結びついていて、グリム童話の新解釈になぞらえて、事件の真相が解き明かされていく構成が斬新で面白い。

作者特有の簡潔な文章と、登場人物のユーモアある台詞のやりとりによって、一気に最後まで読ませてくれる一冊だった。

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