2007.12.13 Thursday

ゾラ・一撃・さようなら

孤独で気ままな探偵、頸城(くびき)悦夫と若く美しい依頼人の新感覚ハードボイルド。

殺し屋ゾラとは何者なのか、天使の演習という美術品に秘められた謎は・・・とスリリングでミステリアスに仕上がっている。

森氏といえばS&Mシリーズなど、理系推理小説というイメージがあるが、本作は理系から全く離れていて、普通の探偵小説になっている。

結局、頸城はゾラに利用されていただけなのか。彼が色々と労を尽くしたわりにはゾラの思う通りの結末になっているのが気の毒である。少しヘマな探偵という設定なのか・・・。

頸城探偵の物語はシリーズ化されていくのかもしれない。


2007.10.11 Thursday

詩的私的ジャック

那古野市内の大学施設で女子大生が立て続けに殺害される。捜査線上に上がったのはN大学工学部助教授犀川創平が担当する学生だった。連続殺人の謎に理系女子大生、西之園萌絵が論理的思考で迫る。

死体に残された傷痕や密室の謎など、犯行トリックは読み応え充分で楽しめる。ただ、犯行内容がきれいにまとまりすぎていて、動機の面で説得力がないように思う。

その割には主要人物犀川と西之園の2人の心理描写は細やかで、犯人側の心理描写をわざと抑えることで何らかの効果を狙っているのかもしれない。


2007.09.26 Wednesday

笑わない数学者

伝説的な数学者、天王寺翔蔵博士の住む三ツ星館で起こった殺人事件の真相に犀川教授と西之園萌絵が挑戦するシリーズ第3作。

三ツ星館の庭に建つオリオン像が消失してしまうトリックは特に面白い。そしてオリオン像消失と殺人事件とが上手くリンクしていて、オリオン像の謎が解ければ事件の謎も解けるようになっている。

例によって、動機の部分で弱いところもあるようには思うが、これだけ大掛かりなトリックで楽しませてもらえたので、すごく得した気分に浸ることができた。


2007.09.13 Thursday

冷たい密室と博士たち

N大学工学部の低温度実験室で男女2名の院生が死体となって発見される事件を西之園萌絵と犀川助教授が解決する。

衆人環視の実験室横の準備室で、完全密室の状態で行われた殺人のトリックは非常に面白い。殺人に至る動機についてもしっかりと描かれているところが森作品の中では珍しい。

いつもながら、N大工学部の面々(理系人間)を上手く描き分けていて、個性豊かな人々が興味深い。

犀川助教授が謎解きをする件では、理系人間そのものの手法で、正直なところ参ってしまった。


2007.08.30 Thursday

虚空の逆マトリクス

森ミステリーが堪能できる短編集。

「いつ入れ替わった?」はS&Mシリーズでおなじみの西之園萌絵と犀川創平が誘拐事件の謎解きに乗り出す。簡潔にまとまっていて、なお面白い。

失跡した姉を捜すという依頼を受けた探偵の不思議を描いた「探偵の孤影」は、森ミステリーとしてはとても異質なものを感じる。かえってそれが新鮮で面白い。

「ゲームの国」は殺人事件の謎解きよりも、回文を楽しむという点で斬新だ。

7編ともそれぞれ違うタイプのミステリーで充分堪能できる。


2007.08.16 Thursday

すべてがFになる

妃真加島に建設された真賀田研究所が舞台。この島のキャンプ場へゼミ旅行にやってきた犀川創平と西之園萌絵が研究所で起こる殺人事件に巻き込まれてゆく。

密室状態での殺人から始まり、次々と3人もの人間が殺される。天才工学博士、真賀田四季が考えただけあって、そのトリックは見事なもの。トリック解明の面白さを楽しむ分には面白いミステリーなのかもしれない。

ただ、動機としては説得力に欠ける部分がある。この事件のその後を描いた「四季シリーズ」にも、そこのところは書かれているが、凡人には難解である。




2007.07.22 Sunday

四季 冬

天才科学者、真賀田四季の孤独を描いた「四季」四部作の完結編。

誰にも理解されること無く、誰の理解を求めることなく生きてきた、超絶、孤高の存在である四季博士。彼女の心の奥底に潜んでいたものが描かれていているのだが、非常に意味不明である。

森氏には大変申し訳ないが、この「四季」シリーズは私の平凡な頭には難しすぎて、素直に楽しむことができなかった。


2007.07.20 Friday

四季 秋

天才、真賀田四季博士が姿を消してから4年。犀川と萌絵が再び事件に挑むシリーズ3作目。

「すべてがFになる」での事件の真の動機が明らかにされるが、全く理解できない。よくわからないところが面白いのか・・・。

ただ、四季博士と犀川と萌絵やその他の登場人物との、過去からの関わりなどを思い起こしながら読んでいると、また違った楽しみ方ができる小説ではある。


2007.07.16 Monday

四季 夏

13歳になった真賀田四季を描いた四部作第二作目。

前作同様、天才の考えていることは理解不能である。妊娠することの必要性や両親を刺し殺してしまうことなど、心情的に共感しかねる部分がある。

「すべてがFになる」で、触れられていなかった真相が明らかにされているので、同作を読んでいる人にはそれなりに楽しめるのかもしれない。


2007.07.07 Saturday

四季 春

「すべてがFになる」の天才科学者、真賀田四季の少女時代を描いた四部作の第1作目。

四季の叔父の病院で起こる密室殺人や、彼女の兄、基志雄の存在など、謎めいているのを通り越して、理解不能の部分が多々あり、森ミステリーを読み慣れていないと楽しめないかもしれない。

「赤緑黒白」で登場する、瀬在丸紅子と四季との図書館でのやりとりは、基志雄の目線で書かれていて、同じ場面であっても違う印象を受ける。

森氏の他の作品に登場するキャラクターが紅子以外にも出てくるので、そのあたりも興味深い。


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